退職祝いのスピーチを頼まれたら、あるいは自分が退職する側でお礼のスピーチをする立場になったら、話す内容を事前に準備しておくことで、内容が充実したまとまりのあるスピーチをすることができます。

ここでは、スピーチで失敗しないために押さえておきたいポイントや原稿を書く流れなど、マナーと文例を「退職者を送る側のスピーチ」と「退職する側のお礼のスピーチ」に分けてご紹介しています。


【送る側】退職祝いのスピーチ(贈る言葉)のポイント

退職祝いのスピーチを依頼されたら、できるだけ快く引き受けるのがマナーです。

緊張して支離滅裂な内容になったり言葉に詰まって焦ったりすることがないよう、当日はあらかじめ準備しておいた原稿を読んでもかまいません。

おすすめは、原稿を用意せず要点だけを順序だてて覚えたり、メモしたりする方法です。原稿を見ながら読んだり丸暗記したりするよりも、その時出てくる自分の言葉で話すことができるため感謝の気持ちが伝わりやすいスピーチになりますし、視線を前に向けて話すことができるため堂々として見えます。

人前であがりやすい人は、原稿がなくても余裕を持って話せる状態になるまで何度も練習をしてから臨みましょう。

  • 送別会で行うスピーチの長さの目安は2~3分程度です。業務時間内に朝礼などでスピーチするときは、1~2分程度の長さにおさめましょう。
  • より思い出に残るエピソードをひとつに絞って、具体的な内容を盛り込みましょう。
  • 不平不満や愚痴・不幸な過去など、暗い話はNGです。
  • 忌み言葉を使わないよう注意しましょう。
    →「退職祝いの忌み言葉」はこちらのページでまとめています。
  • 姿勢を正してハッキリとした発音で話しましょう。
  • 心を込めてゆっくり話しましょう。

【送る側】退職祝いのスピーチの原稿の構成・組み立て方

祝いの言葉、労をねぎらう言葉など
  ↓
(規模の大きな宴席では、自分の立場を明かす自己紹介を)
  ↓
思い出のエピソード、感謝の言葉
  ↓
今後の活躍や健康を祈る言葉や、今後のお付き合いを願う言葉
  ↓
締めの言葉

【送る側】退職祝いのスピーチ文例

定年退職を迎えた上司へ

諸先輩方を差し置いて誠に僭越とは存じますが、一言お祝いの言葉を申し上げます。

 ○○部長、○○株式会社一筋40年の勤務、本当にお疲れ様でございました。
 ○○部長には、私が入社してから△△年の間、社会人としてのマナーから多岐にわたる業務まで懇切丁寧にご指導いただき、多くのことを勉強させていただきました。 失敗も成長の過程だと、チャレンジする機会を存分に与えてくださった○○部長の熱意と姿勢に感銘を受け、一緒に仕事ができましたことに心から感謝しております。
 ○○部長との出会いがなければ味わうことができなかった日々の貴重な経験と学びを胸に、今後も会社の発展に貢献していけますよう、精進して参りたいと思っております。
 このたび定年を迎えられましたことは慶びにたえませんが、職場でお会いできなくなると思うと一抹の寂しさも感じております。上司としても人生の先輩としても、まだまだ学びたいことが沢山ありますゆえ、どうか今後とも変わらずご指導くださいますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、○○部長の今後ますますのご健康とご活躍を祈念して、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。
 長い間、本当にありがとうございました。

結婚退職を迎えた人へ

○○さん、このたびはご結婚おめでとうございます。
 5年前、初々しいリクルートスーツに身を包み、緊張した面持ちで入社した当時のことを覚えていますか?
 あれから5年という短い期間にも関わらず、細やかで的確な対応と素晴らしい行動力で、会社にとって非常に大きな戦力となり、大いに貢献してくれました。
 ○○さんの明るく爽やかな挨拶が社内に響くたび、若さと元気をもらうことが私の楽しみでもありましたから、おめでたい話とはいえ、退職されるとなると非常に寂しさを感じます。
 退職後は□□県で新生活を迎えられるとのこと、○○さんのことですから、新しい環境でも持ち前のバイタリティで笑顔の絶えない幸せなご家庭を築き、円満な結婚生活を歩んでいかれることでしょう。
 どうか末永くお幸せに。本当にお疲れ様でした。

【退職する側】退職挨拶のスピーチ(お礼の言葉)のポイント

退職する側のお礼の挨拶では、退職報告とあわせて退職理由を述べますが、定年退職や結婚退職のようなおめでたい理由を除いては、「一身上の都合」に留めておくのが一般的です。

人間関係のトラブルや会社に不満があって退職する場合も、ネガティブな内容にならないように注意して、明るく感謝の気持ちを伝えましょう。

独立やスキルアップのための転職などの理由で退職する場合は、自慢話にならないように注意して、謙虚な姿勢で感謝の気持ちを伝えることが大切です。

  • 送別会で行うスピーチの長さの目安は1~2分程度。長くても3分以内におさめるのが理想です。
  • 仕事前の朝礼や勤務中に挨拶をするときは、要点を絞って短くまとめましょう。長くても2分以内におさめたいところです。
  • より思い出に残るエピソードをひとつに絞って、具体的な内容を盛り込みましょう。
  • 不平不満や愚痴・不幸な過去など、暗い話はNGです。
  • 姿勢を正してハッキリとした発音で話しましょう。
  • 心を込めてゆっくり話しましょう。

【退職する側】退職挨拶のスピーチの原稿の構成・組み立て方

送別会または挨拶の場を設けてくれたことに対するお礼の言葉
  ↓
退職報告(退職理由)、お世話になったことへのお礼
  ↓
思い出のエピソード
  ↓
今後の計画、抱負
  ↓
今後の活躍、健康、会社の発展を祈る言葉
  ↓
締めの言葉

【退職する側】退職挨拶のスピーチ文例

送別会でのスピーチ:定年退職の場合

 本日はお忙しい中、私のためにこのような盛大な送別会を開いていただき、誠にありがとうございます。
 また先ほどは、社長はじめ皆様方からお心のこもったご祝辞を賜り、身に余る光栄と感激いたしております。
 今思えば、○○年間という年月は長いようであっという間に過ぎたような気がしますが、入社当時から今日までの様々な出来事を思い返してみますと、信頼できる上司や同僚、その時々に出会った多くの方々に支えられ、励まされ、癒されて、今の自分があるのだということを改めて実感しました。
 誰もが様々なことにチャレンジできる素晴らしい環境の中で育てていただきましたことは、私にとって生涯忘れ得ぬ宝物です。退職後はしばらくのんびり休養しまして、妻と二人で第2の人生を有意義に歩んで参りたいと思っております。
 今月末をもちまして、○○年間勤め上げた○○会社を退職しますが、これまでのご恩に報いることができますよう、残りの期間も誠心誠意、職務を全うしたいと考えておりますので、引き続きお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、これまでのご厚情にお礼を申し上げるとともに、皆様の一層のご活躍と○○会社のご発展を祈念しまして、お礼の言葉と致します。
 長きにわたり、本当にお世話になりました。

職場でのスピーチ:定年退職の場合

 このたびは勤務中にもかかわらず、貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございます。
 私事で大変恐縮ですが、本日をもちまして○○年間慣れ親しんだこの職場で定年を迎え、退職することとなりました。
 先日は私の退職にあたって心温まる素晴らしい送別会まで開いていただき、言葉では言い尽くせないほど感謝の気持ちがあふれてやみません。
 思い返せば月日が経つのは本当に早いものですが、皆さんに支えられ、良い刺激を受けながら、おかげ様で大過なく今日まで勤め上げることができたと思っております。
 どうか皆さん、これからも健康には十分ご留意され、一層のご活躍を期待しております。
 ○○年間、本当にお世話になりました。

【退職する側】お礼の挨拶の言い換え表現

本日は、わざわざ私のために宴席を設けてくださり有難うございます。

繁忙期にも関わらず素晴らしい送別会を催していただき、また、○○課長から心温まるお言葉をいただき、大変感激しております。

私の都合で皆さんにご迷惑をおかけすることになり申し訳ない気持ちで一杯ですが、今後の人生を応援してくださったうえ、このような会まで催していただき本当にありがとうございます。

○○年間、無事に勤め上げることができましたのも、皆さんの支えがあったからこそです。

良き仕事と出会い、良き仲間と出会い、実り多き○○年間を□□会社で過ごすことができて幸せでした。

退職後は○○県へ嫁ぎ、しばらくは主婦業に専念する予定でおります。

これまでの御恩を決して忘れず、○年間で学び得た数々の知識と経験を活かして、新天地でも精一杯頑張ります。

○○部長をはじめ、皆さんからいただいた温かいご指導と励ましのお言葉は、私の財産として今後の生活に役立てていきたいと思っております。

退職後は、○○営業部で培いました経験を糧に、微力ながらも独立開業に向けて全力を尽くす覚悟でございます。

どうかこれからもお元気でご活躍ください。○年間お世話になりました。

皆様のますますのご活躍を応援しております。長い間、本当にありがとうございました。

皆様方のご健勝とご活躍、○○会社の更なるご発展を祈念しまして、退職の挨拶といたします。