出産祝いは、この世に生まれた新しい命を祝福し、出産を終えたママを労うためのものです。
お祝いには現金やベビーグッズを贈ることが一般的ですが、気をつけたいのはその届け方。
病院や自宅等に訪問して手渡しする場合と郵送で届ける場合がありますが、意識したいことは「デリケートな産後のママと赤ちゃんに最大限の配慮をする」ということです。
ここでは、出産祝いを贈る際に知っていてほしい訪問と配送のマナーについて解説します。
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訪問する時期の目安
自宅・里帰り先
自宅・里帰り先への訪問時期の目安は、生後2・3週間から1か月前後です。
出産祝いを贈る時期の目安は生後1週間から1か月以内が基本ですが、自宅や里帰り先を訪問して出産祝いを贈る場合は、退院後少し落ち着いてくる時期まで待ちましょう。
病院
病院を訪ねるときの訪問時期の目安は、生後3日目か4日目以降です。
出産当日から産後2~3日の間は産後の疲れが強く残っていたり、人によっては後陣痛を感じることがあったりするため、ごく近い身内の女性以外は遠慮するのがマナーです。
3日目以降も、入院中は体調を回復させながら赤ちゃんのお世話に慣れる期間ですから、ママ側から「来てね」という強い要望がない限り、病院を訪問することは避けたほうがよいでしょう。
中には、「病院の方が掃除やおもてなしの用意をしなくてよいので助かる」というママもいますので、ママの希望を最優先に、臨機応変に対応するのがベストです。
母子の入院期間は自然分娩で5~7日程度、帝王切開で7~10日程度となっています。
しかし、2人目以降の出産は入院期間が短かい場合や、産院によって入院期間が異なる場合もあるため確認が必要です。
「自宅」「里帰り先」「病院」を訪ねるときの訪問マナーと注意点
少人数で行く
出産祝いの訪問は、最小限の人数で行くことがマナーです。
自宅や里帰り先へ訪問する場合、大人数で行くと受け入れる側のママはおもてなしの準備が大変になります。
産院・病院の場合は、いろんな事情を抱えた人が静かに入院している場所ですから、騒ぐつもりがなくても必然的に騒がしくなり、周りの人の迷惑になります。
学生時代の友人や会社の同僚などグループでお祝いを贈る場合は、全員で行くのではなく代表者2~3名で訪問するようにしたいですね。
アポなし、サプライズ訪問はNG!連絡してから行く
連絡なしのサプライズ訪問は、先方を慌てさせるだけでなく迷惑になる可能性もあるので避けましょう。生後1~2か月頃は、赤ちゃんの授乳感覚や生活リズムが定まらず、睡眠不足に悩んだり昼寝で睡眠不足を補ったりして、ノーメイク、パジャマのままで1日を過ごすママも多いのです。
誰でも自由に出入りできる病院であってもサプライズ訪問はNGです。
事前に連絡する際は、一方的に訪問することを伝えるだけにならないよう、母子の体調や都合を聞きましょう。
「体調が優れない場合は郵送するね」などのメッセージをひと言付け加えると、訪問を遠慮したいママも気が楽になるでしょう。
約束の時間よりも数分遅れて到着する
出産祝いを自宅や里帰り先に持参する場合、「大幅な遅刻」や「早く到着してしまうこと」はNGです。赤ちゃんの生活リズムに合わせて都合の良い時間帯を選んだママにとって、約束時間を守らない訪問は困るものです。
約束の時間より5分遅れて到着するようにすると、準備を終えたママが余裕をもって迎えることができるでしょう。
長居しない
滞在時間の目安は、自宅の場合は1時間程度、病院の場合は30分程度です。
楽しくて会話が弾み、気がつけば長居していたという話はよくありますが、産後のママの身体はまだまだ回復途中ですし、赤ちゃんの生活リズムを崩さないよう沐浴などを決まった時刻にしたいママもいます。
お祝いを受け取っておきながら「そろそろ帰って」とはなかなか言いにくいものですから、「もっといてほしい」と強く言われない限りは、訪問する側が配慮して長居をしないようにしましょう。
前もって「お祝いを渡して赤ちゃんの顔を見たらすぐに帰るね」と伝えておくと、短時間で切り上げてほしいと思っているママも気が楽になるでしょう。
風邪気味のときは避ける
産後のママは体力も免疫力も落ちています。
少しの鼻水や咳でも、赤ちゃんに移らないか気が気ではないママもいるでしょう。
約束をしていて体調を崩した場合はその旨を伝え、訪問は控えましょう。
乳幼児を連れて行かない
自宅や里帰り先を訪問する際は、幼児連れの訪問は控えた方が無難です。
特に、一人目を出産したばかりのママは神経質になる場面も多いため、静かに遊ぶのが苦手な子供や、ひとところにじっとしていられない子供を連れていくのを嫌がるママも少なくありません。
家の中を走り回る、大声を出す、赤ちゃんを触りたがる、落ち着いて話せない、などで迷惑をかけなくて済むよう配慮することが大切です。
また、保育園や幼稚園に乳幼児を預けている場合は、ノロウイルスやインフルエンザが流行する時期はたとえ子供が元気でも訪問を避けるのがマナーです。
病院では、感染症を防ぐ目的から、甥や姪であっても乳幼児が病室へ入室することを禁止するところも多く存在します。
赤ちゃんを触りたいときは了承を得てから
免疫力が未熟な赤ちゃんをに触れたり抱っこしたりするときは、必ずママの了承を得て、手を十分に洗いましょう。感染症が流行る時期は、消毒ジェルも併用するとよいです。
中には、ママが子どもを本能的に守ろうとして攻撃的になったり、実母やパパにさえ赤ちゃんを触らせたくないと思ってしまう「ガルガル期」を経験するママもいるため無理強いは禁物です。
また、赤ちゃんを抱っこして強く揺らす、高く持ち上げる、などの行為は大変危険なため、絶対にやめましょう。
身内以外の男性は、産後1か月くらいは遠慮するのが無難
産後1か月くらいまでは、すっぴん&パジャマ姿で過ごすママは少なくありません。産後のむくみや肌荒れなど、トラブルに悩むママも多い時期です。そんな姿はできれば男性の目に晒したくはないものですし、母乳育児の場合、授乳の時間と重なると、男性がいることは心理的ストレスにもなります。
親しい友人であっても、身内以外の男性は早い時期の訪問を控えましょう。
病院を訪ねるときは、次のことにも注意!
病院を訪問する場合は、次の三つのことにも注意しましょう。
大型のプレゼントを持って行くのはNG
プレイジムのおもちゃなど、大型のプレゼントは病院でもらうと自宅まで運ぶか、配送の手配をしなければなりません。
相手の負担にならないよう、軽くてかさ張らないベビーグッズや現金を贈るか、お祝いは後日自宅へ届けるようにしましょう。
夫以外の男性が病室へ入るのはマナー違反
産院・病院は、すっぴんにパジャマ姿で過ごす場所です。産後はむくみを感じやすいママも多いため、気を許せるごく近い身内の男性以外の訪問は控えてほしいと思うママは多いです。
大部屋の場合は、カーテンごしとはいえ授乳中のママもいますし、他の産婦さんの迷惑にもなるため控えましょう。
出産直後や退院日の訪問を避ける
体力の消耗や痛みがピークの出産直後や、退院準備で慌ただしい退院日の訪問は避けましょう。
それ以外の日も、授乳指導、沐浴指導、回診など、入院中のママは退院後の生活に向けて準備をしているため、いつでも空いているわけではありません。
病院への訪問日時はママに指定してもらい、面会時間内で短時間の滞在にしましょう。
出産祝いを配送(郵送)で贈るときのマナーと注意点
出産祝いを宅配便で贈る場合は、ママと赤ちゃんが退院する生後1週間頃から1か月以内を目安に贈りましょう。
出産祝いの配送はママへの思いやり
結婚祝いなどの祝い事は、訪問して手渡しすることが正式なスタイルです。
しかし、出産祝いに関しては、産後のママと赤ちゃんの体調を第一に考え、宅配で送っても問題ありません。
出産を祝ってもらう気持ちはありがたく思いながらも、自宅などに招く余裕が精神的にも肉体的にもないママもいますので、配送はママに余計な気を遣わせないという点で、失礼どころか思いやりのある届け方なのです。
里帰り出産のときは送付先住所と世帯主を確認しておく
実家や義実家に里帰りしているときは、どこに届ければよいかを確認しましょう。
自宅以外の住所へ贈る場合は、送付先の住所を確認するとともに、世帯主の名前も確認するとよいです。贈る相手と世帯主の苗字が違う場合、宛名に世帯主の名前を記載することで配送ミスを減らすことができます。
●自宅以外へ送る場合の宛名の書き方見本●
「佐藤一郎 様方 山田花子 様」または「佐藤 様方 山田花子 様」
送ることを事前に伝え、日時指定がないか希望を聞く
出産祝いを送付するときは事前に相手に伝え、配送日時に希望がないかを確認しましょう。
あらかじめ日時が分かっていると、ママの仮眠中や赤ちゃんの沐浴時間をさけるなどして、生活リズムを崩さず受け取れるため親切です。
生ものや賞味期限が近い食品は避ける
出産後のママは、体調不良に悩まされたり赤ちゃんのお世話を優先したりして、贈った食品をすぐに食べられないことがあります。出産祝いで食品を贈るときは、痛みやすく賞味期限が短い食品は避け、急いで食べる必要のないものを選ぶとよいでしょう。
自分のことは後回し、赤ちゃんのお世話で忙しいママに贈る食品は、調理をせずに手軽に食べられるような無添加で体に優しいレトルト食品や缶詰のほか、息抜きで食べられるような賞味期限が長い菓子折りなどがおすすめです。
母乳育児のママは授乳中の食事に気を遣っていることが多いため、制限している食べ物がないか確認すると安心して贈ることができます。
メッセージを添える
宅配で品物や現金だけを送るのは、味気ない気がしますよね。
そんな時は、手書きのメッセージカードを添えて贈るとよいでしょう。
出産を喜ぶ温かい気持ちがきっと伝わるはずです。
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